栄養療法
人間の体は食べ物として体内に摂り入れた物で作られているのです。
食べ物を構成する栄養素が重要な役割を持っているのです。
栄養素とは、大きく分ければ、脂肪、たんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維に分けられます。
これらの栄養素をバランスよく摂ることによって人間の体は保たれているのです。
ところが、現代人は、この食事から摂れる栄養素のバランスが狂っているのです。
食材に含まれる栄養素が年々減少しています。
また、食品添加物や、防腐剤、残留農薬など体に必要のない、悪いものが多く含まれています。
つまり、食事からは充分な栄養補給はできないということがわかってきました。
アメリカでは1977年にマクガバンレポートでこのことが発表されています。
癌は人間の体の代謝不良が大きな原因となっているのです。
つまり栄養不良によって代謝不良が起こり、がん細胞が増殖するという悪循環が生まれるのです。
がん細胞は誰もがもっているものなのです。ただ、異常に増殖した状態が癌なのです。
人間の体には本来がん細胞をやっつける機能が備わっていました。免疫細胞や白血球、リンパ液などがそれにあたりますが、これらは全てたんぱく質から出来るのです。
つまりたんぱく質が充分に摂れていなかったら、この細胞は出来ないのです。
各栄養素にはそれぞれ違った働きがあります。それらを組み合わせてがん細胞をやっつける機能を強化させ、がん細胞を死滅させ、癌にならない体質を作ることが大切です。
食事で取れないのなら栄養補助食品(サプリメント)で補うしかないのです。
ただし1種類の栄養補助食品で、癌が治せるということは考えにくいことです。
栄養療法の歴史
様々な資料から栄養療法の歴史を調べてみました。
パスツール医学
現代医学、近代医学の元になっているもの。
「病気の原因は菌だ。」 「菌さえ殺せば病気は治る。」
マクガバンレポート(ジョージマクガバン)
1971年、アメリカのニクソン大統領は、国家的プロジェクトとして「ガン撲滅計画」をスタートさせ、巨額の研究費を国立ガンセンターなど、西洋医学を中心とした政府機関に投じました。
アメリカ建国200年を迎える1977年までにガンを撲滅するという作戦でした。
しかしガンは年々増え続け、結局ガン戦争に勝てませんでした。
この計画は実現されないまま、1977年にジョージ・マクガバン議員を委員長とするアメリカ上院栄養問題特別委員会が膨大なレポート(いわゆるマクガバン・レポート)を発表しました。
この委員会が設置された理由は、
「ガン、心臓病をはじめ多くの病気が増えている。
そして進歩したとされるアメリカの医学を活用し、しかも巨額の医療費が注ぎ込まれているのに、アメリカ国民は病気ばかり増えてますます不健康になるばかり。
この原因を解明し根本的な対策を立てないことにはアメリカは病気で滅んでしまう」というものでした。
そして、二年間にわたる審議調査の結論として重要な結論が幾つか出されました。
その中で特に重要な結論は、
ガン、心臓病、脳卒中など生活習慣病は、現代の間違った食生活すなわち、食事の欧米化が原因になって起こる、”食源病”である。
この間違った食生活を改めることでこれらの病気を予防する以外に先進国民が健康になる方法はない。
食事の欧米化とは、次の二つです。
○脂肪と動物性たん白質、砂糖の増加
動物性食品の過剰(動物性たん白や動物性脂肪)、脂肪全体の過剰および脂肪全体の中での動物性脂肪と植物性脂肪の比率の悪さ(動物性脂肪の比率が高すぎる)、砂糖の過剰摂取。
○ビタミン・ミネラルや食物繊維の減少
自然な形の野菜や果物の減少、食品の過度な加工によるビタミン・ミネラル・食物繊維の減少。
1988年 アメリカの上下両院議員40名は、連名でOTA(アメリカ議会技術評価局)にガンの代替医療法のことを調査するための専門プロジェクトを発足させました。
2年後の1990年9月、食事療法やサプリメントを使った栄養療法の有効性について報告書(OTAレポート)が作成され、米議会に提出されました。
その報告書の中で、議員たちは「通常療法(対症療法)では治らなかった末期ガン患者が非通常療法で治った例は多数に及ぶ。
議会はこれらの療法を詳しく調べ、国民に報告する義務がある」として、それまで対症療法に偏りすぎてきた米国立がん研究所(NCI)やがん学会などを名指しで批判し、非通常療法による臨床例を多数報告しています。
ウェルネスレター
アメリカの有名大学であるUCバークレーが出版している「ウェルネ・スレター」という、健康に関する権威ある文献があります。
この文献を出している編集者たちは、ノーベル賞受賞者などの世界の著名な医学者たちの論文を読んでいる専門家たちです。
この雑誌は1985年から9年間一貫して「健康であるためには、健康的な食品さえ食べていれば大丈夫である」と主張し続けてきました。
しかし1994年1月号には、はっきりと次のような意見変更が見られます。
「当編集部では、健康食品を食べている健康な人々には、ビタミンを含んだ補助食品の摂取は勧めないできました。
しかし最近の研究結果を分析していると、今までのそのような意見を変更しなければならないようです。
少なくとも4種類の抗酸化剤と呼ばれているビタミンについてはそうです。
それらはベーターカロチン・ビタミンC・ビタミンE・葉酸でこれらのビタミンは病気予防に効果があると専門家の意見が一致しています。」と‐‐
栄養療法の実践者
マックス・ゲルソン( 〜1959年)ドイツの医師(医学博士)でドイツの結核病患者を自然な食事療法で死の淵から救って「非通常療法の父」と呼ばれる。
ナチス・ドイツの迫害を恐れアメリカに移住。
現在はメキシコのティハナ市にゲルソンクリニックがある。
ゲルソン療法
1930年代にマックス・ゲルソンが開発した治療法。
ガンを全身の栄養障害、代謝障害ととらえ、特殊な栄養療法、食事療法で治療する方法。
大量の野菜ジュース、塩抜き、脂肪抜きの食事などが柱となる。
1958年に「あるガン療法 50人の治癒例」を出版。
「人間のここにガン細胞があって、ここだけを顕微鏡で見ていたらガンの治療に進歩は無い。」
「ここだけが癌じゃなくて、これ全体が癌にかかりやすい抵抗力の無いからだの状態なんだって事をつかむ必要がある」
「部分部分では無くて全体がもうそう言う状況なんだということを見る必要があるんだ」
ライナス・ポーリング博士 (物理化学者 1901〜1994)
化学賞と平和賞の二つのノーベル賞を受賞。
1968年分子矯正医学を発表 「通常体内にある分子を、各人の体が正常に機能するよう正しい分子濃度に調節する医学」と定義されている。
「メガ・ビタミン主義」
ガン治療にビタミンCを導入したエワン・キャメロン
てんかんの治療にマグネシゥムやビタミンB6を用いた脳科学センター所長のカール・フェイファー
自閉症の改善にビタミンB群やCを用いたバーナード・リムランド博士
栄養+食事療法により数万人の病気を治癒させたアデル・デービス
精神科医で分子矯正医学会副会長のリチャード・カニンらにより、医療の現場で分子矯正医学は大きな成果をあげることが出来た。
ロジャー ウィリアムス
正常分子栄養学を発表
パントテン酸(ビタミンB5)を発見 葉酸(ビタミンM)の名付け親。
精神活動に貢献 1971年イギリスのロンドンに正常生体分子精神医学協会が出来る。
精神病というのは頭に栄養が足りないだけのことだと言う。
栄養は単体では働かない。必ずチームで働く。
ジョナサン・ライト医学博士(1945〜 ) タホマクリニック
1973年ケント(米国ワシントン州シアトル郊外)にタホマ・クリニックを開設し、同クリニックの院長。
最新の医学的・生化学的知見に基づいた予防栄養医学を実践。
日本でも早くから栄養の重要性に気づき実践された方があります。
三石 巌 (1901〜 1997)分子生物学に基づいた独自の栄養学を創設。
健康とは細胞レベルからの自主管理にあると説いた三石理論の成果は高く評価されている。
ヒトフード・活性酸素・カスケード理論(メガビタミン主義)が有名。
本の紹介(参考にさせていただいた書物)
○改訂新版「ビタミンバイブル」
アールミンデル著・丸山淑生(まるやまよしお)訳
○「ビタミン・ミネラル革命」
山田豊文(やまだとよふみ)著
○「医学常識はうそだらけ」
三石巌(みついしいわお)著
○「体内革命」
三石巌(みついしいわお)著
○「栄養で病気が治る」 ジョナサンライト博士の栄養療法
檜山圭一(ひやまけいいち)著
○「ガンと闘う医師のゲルソン療法」
星野仁彦(ほしのよしひこ)著
○「超ビタミン・ミネラルで病気を撃退する」
忠 宣叡(ちゅうのぶあき)著
○「ポーリング博士の快適長寿学」
ライナス・ポーリング著 村田晃 訳
○「ガン食事療法全書」
マックス・ゲルソン著 今村光一訳
○ガンは予防できる「活性酸素と、ガン予防の新段階」
三石 巌著